コラム

ビジネス最前線

第42回 「成功へのサービス提供システム」

昨年末に、澤田秀雄理事長(HISグループ会長)で私が副理事長として、心あるベンチャー起業家の理事と共に「日本やアジア諸国のビジネス環境をともに整え、互いに成長・発展する」という理念で『アジア経営者連合会』を発足しました。ITの進歩や渡航の便の発達などにより、経済や経営にはグローバルな視点が必要となります。昨年の金融恐慌以来、全世界で大企業のビジネス上の覇権がゆらいでいる中、日本を含むアジア諸国の起業家・経営者たちが、ビジネス環境を整備し、共に発展していくためには、国境を越えて団結し、積極的に経済貢献、社会貢献、環境貢献活動を行うことが必要であろうということです。具体的には、古くからの大企業ばかりで構成する某有名経済団体は規制緩和など国に対してかなりの確立で提案が通っているのに中小・ベンチャー企業にはあまり追い風ではなく、そこに一石を投じようというものです。会員専用サイトで先駆者や専門家の意見やアドバイスをし合ったりすることができます。生の声での失敗談や聞きにくい経営者の悩みの“子供電話相談室"のインターネット経営者版です。力をつけて政財界に規制緩和などの提案もしていきます。

さて、まず皆さんにお話したいのは次のことです。上場して頑張っているベンチャー起業家は成功体験を述べて講演したり紙面に紹介されていることが多いのですが、実は失敗談の方が共感できてかつ学べるということです。もう一人の副理事長のゲームソフト「シムシティ」等を作りヒットさせ上場してきた松下政経塾出身の螢ぅ泪献縫△凌逝孝之社長は、まさに苦労人ベンチャー起業家なのです。それは、30歳の創業時と10年後の上場後であり、創業時は毎月100万円の赤字を出し累積損失が10億円にもなったといい、また復活後に株式公開したものの上場後もすぐに倒産の危機をむかえたということでした。つまり、プレイステーションなどのハードの進化で開発費の高騰でコストが膨れ上がり業績悪化で社員も半数が退社したのです。実は、“在庫過多"“人件費高騰"等によるゲームソフトヒットメーカーの倒産企業は少なくないのです。神蔵社長は社員の反対も押し切って2002年から売り切りで在庫のかさむゲームソフト制作をモバイル(携帯電話)向けのゲームにシフトしきます。代金の高いソフトよりダウンロードで月額300円の課金制のいわゆる座布団型経営に換えていって市場の出口を変えて生き残ったのでした。まさにダウンロードと課金制は利益の実数時が印税のように積みあがるのです。
経営者が考える“儲け"の安心できる原点は“今すぐ稼ぐ商品や能力"より、社会に徐々に浸透して行き、積みあがる“サービス提供システム"なのです。

先週、同じくゲームソフト業界の革命ベンチャーである螢函璽擦例憩L仄卍垢傍廚靴屬蠅鵬颪ざ辰されました。
昨年210キロのマグロを釣り上げたというのですが、驚いたのはこのことではありません。この会社もゲームソフトメーカーですが裏方企業であるためゲームパッケージには名前は出ないが世界一の数のソフトを作ってきた創業会社です。円高で苦労していた昨年、ある商品をヒットさせて伸びているのです。従来は子供部屋の会ったテレビゲームでしたが、任天堂のWiiは今や家の中心の42型テレビ前にドンと据え付けられているといいます。テレビコマーシャルでも家族でいろいろなシミュレーションをPRしています。そのWiiに昨年末からカラオケ・コンテンツを提案・開発・商品化したらしいのです。時間をかけて作り上げ、曲も定番ソフトの曲以外は課金制です。まだ始まったばかりですが毎日数百万円印税の如く利益を落としてくれるユーザーが多くいて益々伸びているといいます。先日この話をある講演でしますと正月にWiiカラオケ三昧で過ごした会計士の方達に出会いました。不況でお金のかかるカラオケ店に行くより今あるものの有効利用での“家カラオケ"なのでしょう。

一見、座布団的積み上げ型商品を考えて一人から商品化するのは大変だと思いますが、神蔵社長は“ヒト・モノ・カネ"が掛からない仕事を何かしようから決断して創めたといいます。身近な周りの商品やサービスで課金制であったり、少しアレンジすれば必要不可欠の連続提供商品になるであろう何かがまだまだ見つかるかもしれません。
もともとゲーム好きでもなくこの業界にふと入り“無から有"を生み出しているお二人ですが、政治化を志してゲームの中の“仮想街:シムシティ"を作った神蔵社長と釣りやカラオケ好きでそれをゲーム化してきた齋藤社長は自分に正直でもっとも自然なエンタテーメント起業家かも知れません。
あなたが自然に楽しく“サービス提供できる商品"は身近な趣味や成りたかった職業から生まれるかも知れないのです。

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